3・ティンクの寂しさ

 

 ティンクは、寂しさのあまりネコと遊ぶ

 

 ジャンヌは、使用人の子供を8人招きました。

 

「まずは、着る物を女性に作ってもらいます。

 そこで植物の葉っぱを男性に取って来てもらいます。

 

 そこで私が、その葉っぱを拡大して絹に変えますから、

いい大きさに切って縫い付けていって下さい。

 

 次に男性は、妖精たちのお家を作ってあげてほしいの。

この絵にある様な物でいいわ。

 

 難しいところがあったら、言って下さい。

私が魔法で手を加えます」

 

 そこにティンカーベルが飛んで来て、ジャンヌにテレパシーで言う。

「妖精の子は、私1人だけなの?」

 

「もう少し待って? お家が出来たら、呼んであげるわ」

 と、ティンクに言いました。

 

 そして、あたりが暗くなり寝る時間となりました。

 そこでティンクは子猫の姉の方はナナ、妹はシオンと名付け、

 

 2匹の間に入り寝ました。

 その子猫の毛はふさふさで気持ちよく、寝ている時に、

 

 長男のネズミ(ダンプ)が、ナナの所に来て寝る体制でいた所、

ナナは暗くて分からなかったのだろう、爪を立て払いました。

 

 これらの小動物は、人間の言葉を話せる。

 でもティンカーベルは、テレパシーでしか話せないでいた。

 

 だから通じるのは、今のところジャンヌ王女とダリアだけでした。

 

 そこでダンプは顔を爪で掻き毟られたことで、

「誰だ! 酷いことをするじゃないか!」

 

 そこでダンプは怒って大きな口を開けナナに跳びかかったが、

食らいついたのはティンクの太ももでした。

 

 そこでティンクは、

「あぁ~! 痛い、痛い! やめて~!」

 と言うが、我慢が出来ず、がむしゃらにダンプを叩き、

 

 蹴ったりしもてもがくが、

 ダンプの牙は食い込んでいくばかりでした。

 

 そこにジャンヌも飛び起きて来て、明かりを点ける。

「ダンプ、やめなさい」

 と言って、魔法の杖でダンプの口を開ける。

 

「王女様、助けてくれたの?」

「あら、やだ? 羽もボロボロじゃない」

 

「はい、足も動かないの?」

 と言い、ベソを掻く。

「そうね、治してあげるわね」

 

 その時、ダリアもティンクのテレパシーを聞いて駆けつけ、

本能的に妖精の粉をヒシャクいっぱいに掛けました。

 

 すると、

「ダリア様、ありがとう。もう痛くないわよ?」

「そうね、私も咄嗟で? でも良かったわ」

 

「ティンク、今日は私の部屋に来なさい。子猫も連れて来たらいいわ」

 それを聞いたダリアは、子猫2匹をティンクが運べないと思い、

王女の部屋まで運ぶのでした。

 

 明くる日、ティンクは外で丁度いい長さの棒切れを見つけて来て、

ダンプに襲い掛かる。

「痛い! 何で、俺様が悪いんだ!」

 

 でもダンプには、ティンクのテレパシーは聞こえない。

「あんた、私の足を噛んだでしょう!」

 そう言い、警戒しながら幾度も叩く。

 ダリアは、ティンクのテレパシーを聞いて、止めました。

 

「ティンク、もう許してあげなさい。ダンプがあなたに噛みついたのは、

ナナが知らないで爪を立てたからです。

 

 だからお互いに罪はないと思うの?」

「でも、凄く痛かったのよ!」

 

「分かるわよ、でも、今は痛くないでしょう」

 ティンクは、食器の入っている棚の上に座り、

腕を組んで考える。

 

 そこでダリアは、

「ダンプ、この次にどんな事があっても、噛みつく事はいけません!

   でないと、あなたは消える事になるのよ」

 

「何で? 俺が悪いんだ?」

 そこに同じネズミの、弟のブルディが来て、

「ダリア様、僕も消えてしまうのですか?」

 

「あなたは何もしていないじゃない、でもダンプは気を付けなさい。

   それでこれからは使用人として働く事になっているの。

 

 だから、これからですけど言う事が聞けなかったら消えていくのよ」

 と、ダリアは言った。

 

 その事は神様の書いたノートに、これからのオルダー国の未来をどうしていくのか? それはジャンヌ王女が決めて行くみたいらしい。

 

 そこにナナが居て、

「私も、働くの?」

 

「その事は、分からないわ。でも、どの様な国を創って行くのかは、

王女が決めてくれるから、逆らわない様にね」

 

 そこに、ジャンヌ王女が来て、

「すぐには、決めません。それでティンクのお友達の妖精が20人

ほど集まったら、皆さんで決めたいとも思います」

 

 

 ピーターの登場

 

 またそこに、使用人のピーターが来て、

「王女様、言われた様に20件の妖精の小屋が出来ました。

 

 一度見てもらえないですか?」

 そこで王女は、鏡に映し出す。

 

「ティンク、この小屋に飛んで行って中に入って下さい」

 そこで、ティンクはピーターとテレパシーで話し、

 

 案内をしてもらいました。そして中に入り、

「ティンク、どうかしら?」

 

「そうね? ナナとシオンが入れないわね?」

「あたりまえですよ。妖精は、1人で寝る事になっているの」

 

「そっか~、つまんないの?」

 と言い、城に飛んで戻って行く。

 

 今日も、これぐらいにしておきましょうか。

 ティンクは、足を嚙まれてしまいました。

 

 でも、魔法を掛けてもらい、妖精の粉も掛けてもらい

元気になりました。

 

 この後、ティンクの友達が現れるでしょうか?

 楽しみですね。

 

 ぱんだ 竹内でした。ごきげんよう